「脱水」というと真夏を思い浮かべる方が多いと思いますが、冬であっても要注意というお話です。喉の渇きを感じにくいこの季節は水分摂取量が減るうえ、暖房によって室内の空気は想像以上に渇いています。そのため知らないうちに体内の水分が少しずつ奪われているのです。
水分摂取量の目安は1日コップ約8杯、1~1.2リットルほど。いっぺんに飲むのではなく、朝起きた時や食事の前後、入浴の前後など、こまめに分けてとるのがポイント。特に朝いちばんの一杯は、寝ている間に失われた水分を補ううえでとても大切です。温かいお茶や白湯、みそ汁などでもしっかり補えます。
さらに大切なのが湿度管理です。加湿器で湿度を50~60%に保つことで、のどや肌の乾燥を防ぎ、風邪やインフルエンザの予防にもつながります。エアコンと加湿器をうまく併用すれば体への負担を減らし、快適な室内環境を保てます。
冬の脱水は“忍者”のように静かに忍び寄ります。軽いめまいや頭の重さを感じたら要注意。意識的に水分をとり、体のうるおいを守りながら元気に冬を過ごしましょう。
ケアマネジャー
ウォーキングには、肥満解消・生活習慣病予防・骨粗鬆症・肩こり・腰痛の改善、ストレス解消、便秘改善など、心身の健康に役立つ多くのメリットがあります。今回は、その効果をより高めるウォーキングについて見ていきましょう。
朝のウォーキングは、自律神経を整え、質の良い睡眠に繋がるメラトニンの分泌が促されます。また、その日1日の血糖値を抑える効果も期待できます。昼、特に食後のウォーキングは血糖値の急上昇を抑える効果があり、糖尿病予防にも役立ちます。夕方・夜の時間帯に行うと体温が上がり、夜の寝つきが良くなって安眠効果が期待できます。また、副交感神経に切り替えるよう意識してゆっくり歩くと、リラックス効果が得られ、疲労回復やストレス緩和にも繋がります。
ほかにも食前のウォーキングは脂肪燃焼効果・食欲抑制効果があり、食後のウォーキングには血糖値上昇抑制効果・消化促進効果があります。
毎日継続することが大切なので、ご自身の生活リズムや体調に合わせて続けやすい時間帯や方法をみつけてください。楽しみながら習慣にしていきましょう。
健康増進 栄養士
花粉症といえば春のスギ花粉を思い浮かべる方が多いと思いますが、秋にも注意が必要です。植物の花粉は1年を通して飛散し、アレルギー性鼻炎を引き起こしています。
夏から秋にかけてはキク科のブタクサやヨモギ、カナムグラなどの雑草による花粉症がシーズンを迎えます。道路脇や河川敷、公園など身近な場所に生息し、散歩や買い物などの外出時に、気づかぬうちに花粉を浴びています。症状は春と同じく、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどで、風邪と見分けにくいこともあります。秋になると気温が下がり乾燥してくるため、風邪の原因となるウイルスの活動が活発になって流行り始めます。熱もないのに症状が続く時は花粉症かもしれません。
対策としては、マスクの着用や帰宅後のうがい・洗顔の他、洗濯物の取り込み方に気を配ることも大切です。
また、症状が強い場合は早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることで日常生活が楽になります。
秋の心地よい季節を快適に過ごすため、花粉症対策を心がけましょう。
介護福祉士
冬場の隠れ脱水、梅雨時期の梅雨型熱中症、そして夏本番の熱中症と夏血栓……。
異常気象のせいか一年中、気候によって健康が脅かされるようになりました。
今回、あまり耳慣れない「夏血栓」についてお話します。
この用語は正式な医学用語ではなく、特に夏場に多い脱水症が引き金になって起こる一過性の脳梗塞の症状のことで、
日ごろから高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある高齢者がかかりやすいといわれています。
同時期にかかりやすい熱中症と初期症状【めまい、立ち眩み、頭痛、吐き気、歩行困難、手足の痺れ】が似ているので間違われて対応が遅くなり、
より深刻な状況になることもあるそうです。
夏血栓は、片手のみしびれる、顔の半分の麻痺、時には突然片方の目だけが見えなくなる(一過性黒内障)など、
体の半側だけに異常が生じることが多く、脳の細い血管に血栓がつまり症状がでます。
血栓が溶ければ異常はなくなりますが、そのまま放置しないで是非かかりつけの医療機関を受診されることをおすすめします。
言語聴覚士
まもなく梅雨も明ける季節になりましたが、皆さんお元気ですか?
この時季は湿気や気圧の変化により、体のだるさ、関節の痛み、めまい、頭痛、食欲不振などが起こりやすくなります。
湿気が多いと汗がうまく蒸発せず体温調整が難しくなり、気圧の変化は血管や自律神経に影響を与え、体調が乱れやすくなるのです。
特に高齢の方は血圧が変動しやすいので、注意が必要です。
体調管理には、お部屋の環境を整えることや、体力作りは欠かせません。
朝夕の涼しい時間に窓を開けて換気し、座ったままできる足の上げ下げや肩回しなどの軽い運動で血行を促しましょう。
また、梅干しやショウガを使った食事は胃腸を整え、体を温めてくれます。こまめな水分補給には温かいお茶が最適です。
梅雨時やエアコンを使用する時間が長くなると、所謂〝体調不良〟の症状が表れやすくなります。
このような時のための備えとして、雨具や一枚羽織れるものを常備しておくと便利ですね。
無理せず体調の変化に耳を傾けながら、この季節を元気に過ごしましょう.
介護福祉士
フットケアとは、足の 健康を保ち、トラブルを予防・改善するためのケアを指します。
足は「第2の心臓」とも呼ばれ、血流や体調の変化を映し出しますので、健康に悩みを抱える全ての人に とって重要なパーツとも言えます。
フットケアの目的は、
⓵菌の繫殖を防ぎ、水虫や感染症を予防
⓶血行促進により冷えや浮腫みを改善
⓷ウオノメ、巻き爪、踵のひび割れなど皮膚や爪のトラブルの予防・処置
⓸歩行機能の維持・改善で転倒リスクを減らす
主にこの四点です。
そのために自宅で出来るケアは洗浄と保湿、爪のケア、角質ケア、マッサージなどがあります。
セルフケアアイテムも充実していますので、ご自分で楽しみながらのケアや、フットケア専門店でプロの手を借りてもいいかもしれません。
また、糖尿病の方やご高齢の方は日常的なケアが必要ですし、足にしびれや冷えがある方は循環障害、神経障害に注意です。
素足になることが多いこれからの季節、改めて足から健康に注目をしてみませんか?
看護師
街中で2本のポールを持って歩いている方を見かけたことはありませんか?
近年、手軽さと高い運動効果が注目され、老若男女問わず普及が進んでいるノルディックウォーキング。
今回はその魅力をご紹介します。
①消費カロリー20%アップ
ポールを使うことで上半身の筋肉が積極的に使われ、身体の約90%の筋肉が可動する全身運動になります。
筋力向上、引き締め、血行促進の効果が期待できます。
②姿勢改善、転倒予防
ポールを持つと自然と背筋が伸びて歩幅が大きくなり、きれいな歩行姿勢を維持することができます。
四点歩行となるため膝や腰への負担が軽減されて安定性が高まり、転倒予防にも繋がります。
③認知症予防
四点歩行は手足をどう動かすのかを考えるので脳が活性化され、認知症予防効果もあります。
運動不足や歩行に自信が無い方でも、ご自身で運動強度を調整しやすいノルディックウォーキングで習慣的な運動機会を持ち、
健康寿命を延ばして健康増進を目指しましょう。
健康増進 栄養士
春から初夏は気温の変化や新生活の疲れが出やすい時季。そんな時こそ、自宅のお風呂で手軽にリフレッシュしませんか?特におすすめなのがエプソムソルト入浴です。
エプソムソルトは硫酸マグネシウムを主成分とし、筋肉の緊張を和らげ、疲労回復をサポートします。発汗を促し、老廃物の排出を助けるので、むくみや冷えが気になる方にもぴったりです。
使い方は簡単。お湯150〜200リットルに対し、150〜300g(カップ1〜2杯)を溶かすだけ。38〜40℃のぬるめのお湯に15〜20分ほど浸かると、体がじんわりほぐれます。ラベンダーや柑橘系のアロマを加えれば、よりリラックス効果がアップしますので、お好きなオリジナルのアレンジでバスタイムを楽しんでください。
入浴後はしっかり水分補給をして、ゆったり過ごすのがポイント。ぜひエプソムソルトを活用し、心と体を整える入浴習慣を取り入れてみてください。
ケアマネジャー
冬から春への移行期、多くの人がなんとなく体の異変・不調を感じますが、特に高齢者は体の諸機能が低下しているので、寒暖差・空気乾燥などで体調を崩しやすく、それが長引くことが問題です。最近、「体がだるい」「朝、起きるがつらく、昼間、ねむくなる」「なんとなく息苦しく感じる」などの体調変化を〝春バテ〟と称し、この時期の高齢者の健康管理が注目されています。
春バテの症状で特に注意しなければならないのは、自律神経による全身の血流調節が不調になること。立ち眩みなどの症状が起きることで、布団から出て立ち上がった際に転倒し、体の一部を骨折するなどが一例です。
次は食欲不振。加齢とともに胃腸の機能が低下し、特に病気でもないのに「食べたくない」「おなかがすかない」などと訴えて食事をとらないと、栄養不足・水分不足により脱水症状に陥ります。こうなると受診する必要があります。
春バテ予防の原則は、①栄養バランスのとれた3度の食事②入浴③体を暖かくしてよく寝る。つまり、生活習慣を整えることにつきますが、これが意外にむずかしいですね。
言語聴覚士
効率よく体を温める方法は「三首」と呼ばれる首、手首、足首を温める事です。「三首」は皮膚が薄く、さらに太い血管も通っている場所です。そのため外気の影響を受けやすく、身体の冷えに繋がりやすいですが、温めて熱を身体中にいき渡らせると、全身がポカポカとしてきます。
『首』首は冷えると血行が悪くなり、肩こりにもつながりやすいです。
マフラー、ネックウォーマー、ハイネックのトップスを着て外気の影響から守りましょう。
『手首』寒い日は、身体が臓器を温めようと血液が中心へ集中してしまう為、末端が冷えやすくなります。外出の際は手袋やアームウォーマーを使って寒さをしのぎましょう。
『足首』足は下半身にたまった血液を重力に逆らって戻すための大切な部位です。外気をブロックして血流を保つために、冬は足首を出さずにゆったりとした厚手の靴下や長めの靴下、スパッツを穿いて冷やさないようにしましょう。
「三首」に共通して、冷えを感じた時にはマッサージ、入浴中や睡眠前にストレッチをするのも効果的です。
介護職