転ばぬ先の杖とは良く言ったものです。骨の弱い人では転倒により骨折など大きな怪我につながる可能性があり、その回避に杖が有効です。また杖を使う目的には転倒予防のみならず、脚や腰への負担を軽減させる事による痛みの低減があります。
例えば腰に痛みがあり、杖を使用しないで歩いた場合、頑張っても 100mという方が杖を使えば 200m歩けるなら耐久性という面で杖が有効という事です。杖の機能やデザインは様々であり、また重さも色々です。
機能面から選ぶ場合、例えば買い物の帰路のみ杖が必要な方は折り畳み式がいいかもしれません。杖が要らない状況では、杖が邪魔になる事があります。また重さという観点では、力が弱い方は傘の重さが気になるように、杖の僅かな重さの違いが疲労に影響します。そういった方の為に、傘同様に杖も軽量化に重点をおいたものがあ
ります。
杖を選ぶ時は、機能・重さ・デザインが重要であり、また長さの調整も必要です。どんなものが良いか迷ったら福祉用具専門相談員や理学療法士等に是非ご相談ください。
理学療法士
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杖について①
杖には 1 本の設置で支える杖、複数の設置で支える杖、持ち手の形、デザインなど様々な種類があります。おしゃれも大切ですが、歩く能力に合わせた杖選びが重要です。特に高さ調整はしっかり行わないと歩くときのバランスに関わってきます。高さの調整は、右手で持つ場合、右足の小指から外側に 15cm、更に前方に 15cm の地点
に付きます。その際、握りの高さが股関節の付け根あたりになるくらいがその人に合った高さとなり、だいたい肘関節の角度が 30 度になります。多点杖になると足の外側において高さを合わせます。なにより杖は歩くときに使うものですから、実際歩いて最終確認は行うことをお勧めします。個人の歩行能力や身体のサイズにより、基本の高さと異なる場合もあります。また杖先のゴムはすぐに減ってしまうので、いつも確認は必要です。出来れば 1 つ余分にストックしておくといざという時に困りません。近くにリハビリ専門職の方がおいでになれば、是非ご相談ください。
理学療法士
転倒について
転倒された人の 9 割が 6~22 時に自宅で転倒しています。転倒しにくい住宅にするためには『よ・い・じゅ・う・た・く』が大切です。
「よ」良い高さに物を置く。背伸びをしないと届かない、屈まないと取れない場所は取る時に、バランスを崩しやすいので、よく使う物は取りやすい場所に移動しましょう。
「い」居間の整理。床に物が置いてあったり、コードが散乱していては躓きやすいので、床にある物は移動し、コードは結束バンド等で固定、整理します。
「じゅ」絨毯の端を固定。絨毯の端は捲れやすいため裏面の四辺を両面テープで固定します。マットは 100 円均一などの滑り止めを下に敷くだけでも有効です。
「う」浮いた踵の履物に注意。スリッパやサンダルは踵が浮くため、脱げやすく、不安定です。足に合ったルームシューズや滑り止め付の靴下を使用しましょう。
「た」段差と床はしっかり区別。階段や敷居などの段差は気が付かないことが多いです。段差はテープ等で色を変えて、段差があることがわかりやすくします。
「く」暗い所には間接照明。暗い場所では段差や床にあるものが見えないため、間接照明などで足元を照らします。
『よいじゅうたく』ぜひ、チェックしてみてください。
作業療法士
転倒予防について
10 月 10 日は「テン・とう」と読んで、『転倒予防の日』でした。みなさんご存知でしたか?
転倒は「様々な要因によってバランスが崩れて倒れる現象」であり、いつでも誰でも起こりうる可能性のあるものです。「様々な要因」とは、もちろん筋肉の衰えもありますが、目の衰えや姿勢、身の回りの環境や履物などが影響してきます。
では、転倒の多い場所はどこでしょうか?実は転倒の多くは居室で、次いで道路や階段です。
居室の中では、ちょっとした段差(2~3cm)が一番危険です。敷居の段差は小さなスロープで解消し、めくれている絨毯はテープで固定する。階段・廊下・浴室・トイレには手すりを設置し、足元に照明をつける。また、床や照明の配色の変化をつけることも重要です。こうした自宅内の環境はちょっとした工夫で転倒の危険性を減らすことが出来ます。
最後に①ぬれた場所②かいだん・段差③片づけていない所は危険がいっぱいであると言われています。
「ぬ・か・づけ」と言う語呂合わせを覚えて、日頃の生活の場面で思い出していただけたらと思います。
はり師きゅう師あん摩マッサージ師
放課後等児童 デイサービスについて
放課後等児童デイサービスは、6~18 才の主に何らかの障がいがある子どもたちが、放課後や長期休暇を有意義に楽しく過ごすところです。
色々な年齢の子どもたちが触れ合うことで、刺激を受け、幼い子どもを思いやる優しい気持ちが生まれ、いつもと違う一面を見せたり、他の子どもからの影響で苦手なことにも挑戦する場面も見られます。放課後等児童デイサービスwellでもそんな子どもたちの姿が見られます。遊びを取り入れながら、運動や色々な作業、日常生活の各動作の練習といった課題に真剣に取り組んでいます。
時には子どもが疲れて、いつもの取り組みが困難な場合があり、そんな時はその旨を子ども自らスタッフに伝えられる雰囲気を大事にしています。
課題に一図に取り組むことだけが正解ではなく、いつの日か仕事に就いた場合にも自分の限界や気持ちを周りの人に伝える力、それはとても大切です。wellは介護士以外にも看護師や作業療法士、理学療法士がおり専門的な視点を入れながら、子どもの支援に当たっています。wellを覗いてみたい場合はお気軽にご連絡下さい。
理学療法士
飲酒について②
飲酒について
この季節に機会の増す“飲酒”についてお話しします。
<お酒を飲むと、なぜ酔うの?>
飲んだアルコールの一部が血液を通して脳にいき、酔った状態になります。
<一気飲みは、どうして危険なの?>
お酒を短時間に大量に摂ると、血液中のアルコール濃度が急激に上昇し急性アルコール中毒の危険性が高まります。最悪の場合、死に至る可能性もあります。
<アル・ハラって?>
飲酒の強要やお酒に関る人権侵害のことをアルコール・ハラスメントと言います。「会社の上下関係などを利用して一気飲みや飲酒を強要すること」や「お酒の席を理由に迷惑行為を行うこと」などが該当します。
その他にも未成年者の飲酒や飲酒運転も大変危険な行為です。重大な事故に繋がる可能性が高いので絶対に止めましょう。
適量の飲酒は「酒は百薬の長」と言われるように様々な効用があります。しかし飲み方を誤ると大変危険なものに変わります。これから年末年始に掛け、飲酒の機会が増えることと思います。節度をもってくれぐれも飲み過ぎず、お酒と楽しく付き合っていきましょう。
看護師
飲酒について
今年も残り僅かとなり、皆様も何かとお酒を飲む機会が増える時期ではないでしょうか。
そこでお酒の飲み方について豆知識をお話させていただきます。
「飲酒と胃腸障害」について
まずは一杯「かんぱ~い。」と空腹の状態でジョッキのビールをごくごくと飲まれる方は多いのではないでしょうか。ビールに限らず、空腹時の飲酒は胃腸の粘膜を強く刺激します。また吸収もされやすく急激なアルコール濃度の上昇を来たします。食べ物と一緒にとるのが望ましいといえます。その中でもたんぱく質や脂質を多く含むものを摂ると胃腸障害を予防できると言われております。
同様に強いお酒(アルコール度数の高いもの)を飲むことでも胃腸への負担は増大します。水などで薄めて飲まれることが望ましいでしょう。どうしても強いお酒を飲みたいということであれば、間でお水を飲む(チェイサー)ことで胃腸への負担を軽減できるでしょう。
適量のお酒は身体的にも精神的にも社会的にも有効に働くと言われています。これからも楽しくお酒と付き合えるよう注意してみてはいかがでしょうか。
看護師
デイサービスの活用法
デイサービスを利用する目的としては、「お風呂に入りたい」「リハビリがしたい」といったことが主になります。しかしながら、デイサービスに来ている利用者さまたちを見ていると、もっと重要な役割を果たせているように感じます。同じような疾患や障害、悩みを抱えた者同士で情報交換をしたり、互いに励まし合ったり、交流の輪ができ一緒に外出をしたり、そんな場面を多く見かけます。専門的には、これを『ピアサポート』と言っています。
『ピア』とは「対等」「仲間」という意味です。障害のある者同士が対等な立場で話を聞き合い、共感し合い、仲間同士で支え合うことのできる場としてデイサービスを活用してみてはいかがでしょうか。
しかし、デイサービスというと、介護保険で認定を受けた方だけしか利用できないと思っていませんか?当事業所では、今年の5月より一般の方向けに自費でのサービスも開始しております。「運動不足を解消したい」「専門家の指導を受けたい」など、同じような目標を持った方々と一緒にデイサービスを活用してみてはいかがでしょうか。
看護師
老後の暮らし〜デイサービスの活用
男性で言うと定年後、女性で言うと子育てが終了したのち、忙しい生活から開放されのんびりとした生活を送ろうと考えている方は多いでしょう。家でゴロゴロTV観賞・・・それは至福の時間でしょう。しかし、その至福の時間の裏には体力・筋力の低下、特に足腰の老化が待ち構えています。
また同時に、たくさんの人との関わりが減少するため、話す機会や外出する機会も減少してしまいます。そこで心配されるのが認知症です。
そんな時にデイサービスの活用を考えてみて下さい。定期的に外出するきっかけになります。そこでは新しい出会いもありますし、同世代だからこその共通の話題が共有でき、楽しい時間を過ごすこともできます。現在はたくさんのデイサービスがありますのでご自身に合った内容のデイサービスを選ぶことができます。その際に、リハビリ専門のデイサービスも見学してみて下さい。指導員のもと、状態に合った運動をすることで、現在の体力を維持することはもちろん、以前の状態に回復することもあります。そして、いつまでも元気に楽しく暮らしていってください。
介護職
食の健康について
「食」は私たちが健康な暮らしをおくっていく上で最も重要な事の一つです。
健康的な生活をおくるために大切な事は、バランスの良い食事・適度な運動をする生活習慣を心がける事です。ところが、現代の日本人は様々な理由から不規則な生活リズムに陥りやすい状況にあります。食について見ると、いつでも簡単に食品を手に入れられる環境にある事や栄養補助食品の普及など栄養価の高い食品を選んでしまいがちです。こうした中、2002 年に厚生労働省が実施した日本国内の糖尿病の実態は社会に大きな衝撃を与えました。この調査では治療者も含め 740 万人の方が糖尿病と強く疑われ、糖尿病の可能性を否定できない人を合せると約 1620 万人にも上ります。
この数は日本人の 12%、つまり 8 人に 1 人の方が患っている状態です。このような状態を踏まえ政府は 2008 年度より 40~74 歳の方を対象に特定健診・特定保健指導を実施する事に決めました。このように食生活と健康とが切り離せない関係が再認識されつつあります。
介護職