毎年、正月そうそう雑煮のモチをのどに詰まらせて救急車搬送、という緊急事態が全国で起きます。のどの奥には肺につながる気管の入り口がありますが、そこに食べ物が誤って入り込むと、入り口が塞がれてしまいます。結果、呼吸困難となり、体内に酸素が供給されなくなると、わずか数分で脳が大きなダメージを受け(脳死)、最終的に死に至ります。
楽しいはずのお正月の一家団欒の場にパニックをもたらす窒息事故を防ぐ方法はあるのでしょうか。おモチの特性などから、次の4つがポイントとなります。
①お雑煮は冷めないうちに食べる
②小さく切ったおモチをよく噛んで呑み込む
③丸呑みはしない
④家族と一緒に食べる(ご高齢の方は一人のときは避ける)
窒息事故の犠牲者の多くが八十才以上の高齢者で、しかも男性が圧倒的に多いそうです。自分は大丈夫と思っていても油断大敵です。
最近は、口の中の粘膜にくっつきにくい小麦モチや粘着性の弱い切り餅などが市販されています。安全に、楽しくお雑煮を食べて新年を祝いましょう。
言語聴覚士