口腔乾燥と唾液の関係

寒い時期におきる〝かくれ脱水〟や口腔乾燥(ドライマウス)は高齢者特有の症状ではないですが、毎年、乾燥する季節になると不快な症状に悩まされるお年寄りは多いです。口腔乾燥は文字通り「口の中が乾く」ことですが、これは何らかの原因で唾液が不足あるいは減少することで生じる症状であり、①唾液腺の機能の低下・障害、②加齢に伴う唾液分泌量低下や薬剤の副作用(春先に多い花粉症治療薬も含まれる)などが挙げられます。

唾液が少なくなると、唾液による洗浄作用が弱まり、口の中の汚れが残りやすくなります。こうした状態を放置しておくと、虫歯や歯周病発症のリスクが高まります。予防法としては、「「よく噛んで食べる」、「人と会話をする」、要するに「よく口を動かすこと」が重要。日ごろから「こまめに水分補給し、口の中の潤いを保つ」、「うがいの回数を増やす」、「人と話す」などを実践していれば防げます。

また、「唾液腺マッサージ」(耳たぶに近い頬の部分や下あごを指先でマッサージする)によって、人為的に唾液を出させる方法もあります。

言語聴覚士