病後に日常生活をスムーズに送るためには、リハビリが重要だということはよく知られています。一方で、リハビリを成功させるために食事がとても重要だということをご存知でしょうか。
栄養状態が悪いなかで積極的なリハビリを行うと、機能が向上するどころか、逆に体力や筋力を失い、日常生活動作の低下を招いてしまいます。このようなリハビリと栄養の関係は「リハビリテーション栄養」という概念として、その重要性が注目を浴びています。
食事から必要な栄養を摂ることは、健康な時は容易でも、病後の低栄養状態では難しい場合が多いです。さらに食事というのは、長い人生のなかで形成される個人の価値観に左右されます。1日2食で十分という方もいれば、菜食中心の考え方も。食事の価値観の違いは、特に高齢者の低栄養を招くので要注意です。
リハビリは自分自身に向き合うことであり、同様に、栄養不足を改善するために食事を意識することはとことん自分に向き合うことになります。リハビリを行う際はぜひ一度、ご自分の栄養状態についても考えてみてください。
言語聴覚士