本人が、「自分は認知症ではないか」と気づくのが早いか、家族が気づくのが早いか、いずれにしても今まで当たり前にできていたことが困難になって日常生活に支障をきたす事態は深刻である。物忘れがひどくなり、家族・知人の名前が思い出せない、大事な物をどこにしまったか忘れた(しまったこと自体忘れている)、などさまざまな症状が本人を困惑させるのが認知症である。
認知症には、①記憶障 害が主症状であるアルツハイマー型認知症、②発病初期には記憶障害は目立たず、“赤い虫がたくさん見える“といった幻視や歩行障害を特徴とする「レビー小体型認知症」、③人格障害、社会的なルール無視(コンビニの商品を勝手に持ち帰る、店内で食べる)を特徴とする「前頭側頭型認知症」、④脳血管障害が原因である脳血管性認知症などさまざまな特徴をもつタイプがある。
認知症治療は早期発見が重要とされるが、本人や家族が認知症を疑いつつも、医療機関や行政の相談機関を訪れるまでに一年以上かかるという報告がある。まずは早めにかかりつけ医に相談、本人の納得が得られるならら「物忘れ外来」「神経内科」を受診し、その後の対策を考えるべきでしょう。
言語聴覚士