お雑煮をおいしく、安全に

毎年、正月そうそう雑煮のモチをのどに詰まらせて救急車搬送、という緊急事態が全国で起きます。のどの奥には肺につながる気管の入り口がありますが、そこに食べ物が誤って入り込むと、入り口が塞がれてしまいます。結果、呼吸困難となり、体内に酸素が供給されなくなると、わずか数分で脳が大きなダメージを受け(脳死)、最終的に死に至ります。
楽しいはずのお正月の一家団欒の場にパニックをもたらす窒息事故を防ぐ方法はあるのでしょうか。おモチの特性などから、次の4つがポイントとなります。
①お雑煮は冷めないうちに食べる
②小さく切ったおモチをよく噛んで呑み込む
③丸呑みはしない
④家族と一緒に食べる(ご高齢の方は一人のときは避ける)
窒息事故の犠牲者の多くが八十才以上の高齢者で、しかも男性が圧倒的に多いそうです。自分は大丈夫と思っていても油断大敵です。
最近は、口の中の粘膜にくっつきにくい小麦モチや粘着性の弱い切り餅などが市販されています。安全に、楽しくお雑煮を食べて新年を祝いましょう。
言語聴覚士

ヒートショックについて

肌寒い季節になり、温かいお風呂に入ってリラックスという方も多いのではないでしょうか?
しかし、十一月から二月は入浴関連事故が増える季節でもあります。
代表的なものとしては「ヒートショック」があります。
暖かい部屋から、寒い脱衣所や浴室への移動は、急激な温度変化により血圧が大きく変動します。寒い脱衣所では、体から熱を逃がさないよう、血管はぎゅっと縮み、血圧は上昇します。その後、温かい湯船につかることで、一気に血管が拡張し、血圧が急降下します。この血圧の変動が失神、不整脈、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などを引き起こす原因となっています。
同様に多いのが「浴室内熱中症」です。
長湯や高温のお湯で温まることで大量に汗をかき、のぼせや脱水症状を引き起こし、気づかぬうちに倒れてしまっていたケースも多いようです。
「熱いお湯じゃないと入った気がしない!」「晩酌してからのお風呂が好き」など様々な入浴スタイルがあると思いますが、体に負担を掛けない安全な入浴方法を心掛け、心にも体にも優しいバスタイムを過ごしてみてはいかがでしょうか?
看護師

冷え対策について

冷えへの対策は手先、足先といった「体の末端」を冷やさないことがまず大切になります。特に足先を冷やさないことは重要で、昔の言葉に「頭寒足熱」とあるように、足を温めることは良く眠れ、健康にも良いとされています。
それ以外にも食事の内容や筋肉の量にも左右されます。冷たい食べ物を食べすぎないことだけでなく、体を冷やす食べ物、例えばトマトやきゅうり、あさり、蕎麦といった「体から熱を奪ってしまう食べ物」というものを食べすぎないことも重要になります。
逆に体を温めてくれる食べ物は、生姜、葱といったものだけでなく、辛い物も有効です。ですが、辛い物は塩分も多いため食べすぎには注意してください。
また、筋肉の量は体を温めるための熱を生むために重要です。自分の体から熱を生み出すためには筋肉を動かす必要があるため、冷えを防ぐためには筋肉をつけることも重要ということです。
Wellでは皆様の体の様子に合わせた運動で筋肉をつけるだけでなく、足湯を用意して冷えへの対策を行っております。ぜひ一度、Wellにお越しください
作業療法士

介護予防とは

2025年には、ますます高齢化が進み、「1人の若者が1人の高齢者を支える」という厳しい社会がやってくると言われています。
医療・介護サービスなどの「共助」や生活保護などの「公助」などに頼らなくて済むように、自分のことは自分でする「自助」を基本としながらも地域で助け合う「互助」を拡大していく地域づくりが必要とされています。高齢者の健康寿命を延ばし、生活の質を高めていくためには、生活習慣病予防と介護予防を地域で総合的に展開することが重要です。
介護予防とは「要介護状態の発生をできる限り防ぐこと、そして要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと」と定義されます。単に運動機能や栄養状態といった個々の要素の改善だけを目指すものではなく、心身機能の改善や環境調整などを通じて、個々の高齢者の生活機能や参加の向上をもたらし、それによって一人ひとりの生きがいや自己実現のための取り組みを支援して、生活の質の向上を目指すものです。
理学療法士

忘れるとは

最近物忘れがひどくなった、認知症になったのでは…と不安になる事はありませんか?ご高齢の方から良く聞く相談事ですが、そもそも、忘れるとは何でしょうか。人間は脳にある神経細胞の働きによって学習し、出来事を記憶しています。脳の発達は二十歳で終わると言われており、その後は徐々に脳が小さくなり、“覚える”為に必要な神経細胞も減っていきます。ですから、加齢による物忘れはごく普通の事なのです。
加齢に伴う物忘れの特徴は①体験
した事の一部を忘れる②忘れたという自覚がある③徐々にしか進行しない。
と誰にでもある事です。しかし認知症のような病気が原因の物忘れは、①体験した事全部を忘れる②物忘れの自覚がない③進行する。というのが特徴です。食べていたのに『昨日はご飯を食べなかった』というような事があれば要注意です。物忘れ=認知症ではありませんが、気になる事があれば早めに病院等に相談してみてはいかがでしょうか。
また、脳トレなどで脳を活性化させ、予防していく事もおすすめです。
介護職員

夏の疲れについて

夏の疲れについて
夏の疲れに効く!3ポイント!
夏は催し物や外出など楽しいことが多い反面、暑さが体にこたえる季節でもあります。今日は夏の疲れに効く!3ポイントをお伝えします。
① 強い味方!ビタミン!
ビタミンB1 とビタミンCは夏の疲れを撃退する強い味方です。ビタミンB1 は豚肉、玄米、豆類などに多く含まれます。ブタニラ炒めや豚の冷しゃぶなどがおすすめ。ビタミンCはキウイやゴーヤなどに多く含まれています。
② 快眠は疲労回復の要!
夏の夜の寝つきを良くするには‘体温を下げる’ことが大切。ずっと身体が冷えたままだと身体からの放熱が妨げられ、寝付きづらくなります。ぬるめのお湯にゆったりつかり軽いストレッチを行うことで、一度体温をあげると身体の熱が放熱され体温が下がり寝つきがよくなります。
③ 発汗してリフレッシュ!
汗をかくと自律神経の働きが良くなり、食欲不振やだるさ解消につながります。1 つ手前のバス停でおりて歩く、ストレッチする…など気持ち良く汗をかきましょう。日中など日差しの強い中での運動には注意してください。
良く食べ良く寝て少し汗かいて… 熱い夏を乗り切りましょう!
健康運動指導士

尿失禁予防について

尿失禁の原因は様々ありますが、今回は特に女性に多い腹圧性尿失禁について、またその対策をお伝えします。
咳やくしゃみ、重いものを持ち上げた時に「あっ」と思う事はないでしょうか。その原因の一つとして考えられるのは、膀胱を支える骨盤の筋肉(骨盤底筋)のゆるみ。出産や老化によって骨盤底筋が弱くなっていると、腹圧がかかった時に尿がもれてしまいます。そこで有効とされているのが、“骨盤底筋体操”。①立位、座位、あおむけ寝いずれかの姿勢をとります。②足を肩幅に開き、背筋を伸ばします。③男性は肛門を、女性は膣を締めて 5~10 秒止め、力を抜きます。 ④締める、力を抜くを 1 セットとして、1 日 5 セット×2 回を目安に行います。なるべく呼吸を止めず、腹筋に力を入れないように気をつけましょう。
骨盤底筋の強化を続ける事で、腹圧性尿失禁の軽減につながります。ただし、尿失禁の原因は 1 つではありません。骨盤底筋体操を続けても症状が続く、症状が重症な場合は別の原因が考えられますので、病院(泌尿器科)を受診し、相談する事をおすすめします。
介護職

脳卒中予防と備え

小田原市は脳卒中(脳梗塞・脳出血など)で亡くなる方が、神奈川県内の市中で最も多いことがわかっています。その原因は、高血圧、動脈硬化、糖尿病、心臓病などですが、ストレス、飲酒、肥満、喫煙、運動不足など生活習慣からの原因もあります。近年、脳出血は減少、脳梗塞は増加傾向と言われ、脳卒中の 60% は脳梗塞となっています。脳梗塞を起こす確率は心房細動がある場合、正常な人に比べ 5 倍程度高くなります。再発率は 3 年以内に 20~30%、特に 1 年以内は注意が必要です。発症する時間帯は朝の起き抜けと睡眠中に集中しています。就寝前にコップ 1~2 杯の水を飲む。いつでも飲めるように枕元に水を置いておくことをお奨めします。万が一、脳梗塞の症状が出た時には、3 時間以内にt-PA 療法を行うと劇的に症状の改善がみられる場合があると言われていますので、あらかじめ対応している医療機関を知っておいた方がよいでしょう。「t‐PA 小田原」で検索をかけると調べる事ができます。
理学療法士

脱水症とは

脱水症とは
脱水症とは体から水分が失われるだけでなく、電解質(主にナトリウム)も同時に失われた状態のことを言います。脱水状態になると血圧低下・脳血流減少により、立ちくらみ・めまい、さらに食欲不振や足がつる、しびれるといった症状が現れます。
特にお子様とお年寄りには注意が必要です。喉の渇きや体の異変を自分で訴えることのできない幼児・乳幼児は、代謝が活発で水分が失われやすく、体温調節機能も充分に発達しておらず、発汗機能や腎機能が未熟なため、気が付くと脱水が進んでいることがあります。
お年寄りはもともと体内の水分量が少なく、食欲減退により水分摂取が減っているうえ、喉の渇きも感じにくくなっています。腎機能の低下で水分や塩分の調節機能が低下しており、持病による体調不良と脱水症状との区別がつかずに水分補給を怠ってしまう傾向があります。
こまめな水分補給はもちろん、通気性の高い衣服を身につける、室温を快適な状態に保つなど、脱水状態にならないよう気をつけましょう。
軽度の脱水であれば、ドラッグストア等で販売されている経口補水液(ドリンクタイプ・ゼリータイプ)で対応できますので常備しておくと安心です。
機能回復訓練のご相談を承ります。
事務職

熱中症とは②

熱中症とは②
熱中症は、高温多湿な所で、体内の水分・塩分バランスが崩れたり、体温調節機能が上手く働かなかったりする事により体内の熱がたまり、筋肉痛、大量の発汗、吐き気、倦怠感などの症状が現れ重症になると意識障害が起こります。
暑熱環境でスポーツや肉体労働などの筋肉運動が合わさってなる≪労作性熱中症≫と暑熱環境の中で長時間過ごしてなる≪非労作性熱中症≫の 2 種類があります。
熱中症の予防法は色々ありますが、アロマを使ったボディーミストの予防法を紹介します。
材料:無水エタノール 5ml+精製水 95ml+ペパーミント 5 滴+ラベンダー5 滴ペパーミントの成分メントールには冷却作用があり体感温度を下げる(体温は下がりません)働きがあります。爽やかな香りは猛暑のストレスを軽減します。ラベンダーには鎮静効果があります。
屋外の作業中シャキッ!としたい時は上記の材料のラベンダーをローズマリー5 滴に変えてみて下さい。
ローズマリーには疲れた気分を元気づけ、精神的な疲れの改善、無気力な状態から解放してくれます。
これからどんどん暑くなってきます。アロマボディーミストを身体に吹きかけ香りで癒されながら熱中症を予防してみて下さい。
准看護師