体力が低下しやすく健康リスクが高まる季節の高齢者のための残暑ケアと注意点をご紹介します。
①こまめな水分補給
高齢者は脱水症状になりやすい傾向があります。麦茶やスポーツドリンクなど、ミネラルを含む飲み物を一日を通して少量ずつ、喉が渇く前に飲む習慣をつけましょう。
②適切な室内環境と運動エアコンで適温に保った室内で無理をせずに過ごしましょう。ストレッチや軽い体操、比較的涼しい時間帯の散歩がおすすめ。扇風機や冷感グッズの併用を。
③バランスの取れた食事
健康維持に欠かせない食事は、ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜や果物を積極的に摂取。冷たい料理やスープなどメニューを工夫しましょう。
④定期的な体調チェック
体温や血圧の測定、食欲や睡眠状態の確認など、家族や介護者が定期的に体調をチェック。異常を察知できれば早めの対応ができます。
高齢者が残暑を健康に過ごすためには、周囲のサポートと適切なケアが欠かせません。
元気に夏を乗り切りましょう。
本年は例年に比べて温暖な気候が続いていますが、日中と夜間の寒暖差が激しい日々が続いています。そのため体調の変化を感じやすくなっていたり、外出が億劫になったりと、様々な体の不調が出やすくなっている状態にあります。今回は寒さに負けない体をつくるためのポイントをいくつかご紹介いたします。
①目が覚めたら、布団に入ったまま体を動かす…布団の中で手足先をグーパーする、左右に足を倒すなど、軽く動かしてみましょう。目覚めたては血流もゆっくりめで、体温も低い状態。少し動かすことで代謝も上がり、すっきりと目覚めることでき、ストレスの緩和にも繋がります。
②朝食には温かいものを摂る…煮込み料理や柔らかいものは消化も良く、冬の朝には最適ですが、時間の無い朝は難しいと思います。取り入れやすいものは紅茶やココア、コーヒー等の温かい飲み物です。さらにシナモンや生姜といった体を温める素材を加えると、温活に効果的です。
まだまだ感染症にも気を抜けない時期が続いています。寒さに負けない体をめざして、日常生活にひと工夫を取り入れてみましょう。
作業療法士
急激に朝晩冷え込み、空気の乾燥が気になる季節となりました。今回は「保湿」について効果的な方法を紹介します。
皆さん保湿というとどんなイメージを持たれますか。保湿剤を塗る事? ベタつくし服や布団が汚れて嫌! 効果を感じない!という方も多いのではないかと思います。保湿というのは読んで字のごとく、湿気を保つと書いて「保湿」です。
保湿剤や軟膏を塗る際によくタオルで水気をふき取って塗っていませんか? これでは砂漠に油を流したというイメージです。皮膚科などで、保湿剤は入浴後5分以内に…というポスターを見かけた方もいらっしゃると思います。少し補足すると「水気があるうちに」となります。
毎回毎回塗る前にお風呂入るのは大変! そのお気持ちもわかります。簡易的な方法として、濡れタオルをレンジでチンして拭きながら塗ってみてください。少量でも塗りやすく、塗ったあとベタつきません。これが「保湿」です。皮膚全体の7割、8割を塗ることで効果を発揮。1か所だけでは効果は期待できません。かゆみで眠れない方もお試しあれ!
看護師
最近よく耳にする「腸活」。腸活とは、腸内フローラ(腸内細菌)を整える活動のことです。
腸活は免疫力向上、自律神経の乱れを整える、質の良い睡眠、肌荒れ改善、便秘・軟便改善……など、様々な効果があるといわれています。
腸活には善玉菌を含む食品をとる食生活が良いとされています。善玉菌のエサとなる食物繊維とオリゴ糖をとると、より効果的。ヨーグルト、ぬか漬け、納豆、味噌、キムチ、チーズなどの発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌、酵母菌、麹菌などの善玉菌が含まれています。また、野菜類や果物、海藻や豆類、穀物などに多く含まれる食物繊維やオリゴ糖は腸内の菌の数を増やす助けとなります。
さらに、善玉菌の増殖に効果的なのは食物繊維の中でも「水溶性」食物繊維。ごぼう、人参、オクラ、ブロッコリーなどの野菜類、豆類、芋類、海藻、果物などに多く含まれています。とはいえ、いろいろ作るのも食べるのも大変。そこで日本人に馴染みのある味噌汁が手軽でおすすめです。
バランスのいい食事を心がけて健康的な身体づくりをめざしましょう!
理学療法士
〝運動後 焼き肉ラーメン 逆効果〟。高齢社会になってますます運動の必要性が強調されていますが、「高齢者の運動」には2つの側面、①健康維持・増進のための運動、②病後の症状回復のための運動…があげられます。
前者はウォーキングや水泳、あるいは認知症予防のためのコグニサイズ。後者は脳血管障害のリハビリ、糖尿病者の運動療法等が代表例です。
最近、認知症の研究から「認知症の人は片足立ちができない人が多い」、つまり、記憶障害や認知機能障害のみならず、身体的なバランス能力も早期に低下することがわかりました。
こうしたことから、片足立ちができない人は転倒・転落事故のリスクや認知症や脳血管障害の予備軍、あるいはその入り口にいる可能性がある人とみなされます。
ちなみに、65歳以上で片足立ちが40秒以上できる人は健康、20秒以下の人は何らかの問題がある人とされます。1回60秒、それを毎日3~4回繰り返すことが健康への道と研究者は提案しています。何かにつかまっておこなってもOK。今日から実行してはいかがでしょうか。
言語聴覚士
暑さが酷く身体に堪える季節。食欲も落ち、ついつい冷たい飲み物やゼリー、アイス等を好んで口にしていませんか?
私も仕事終わりに、キンキンに冷えたビール(悪あがきで糖類・プリン体ゼロの発泡酒)をプハーッと飲んで至福の時間を堪能しています。しかし、そこには夏の落とし穴が…。実は、冷たい飲み物が内臓脂肪を増やす原因のひとつだということをご存じでしたか?
「コールドドリンク症候群」といわれ、冷たい飲み物が一気に胃に流れると一時的に胃が低温になり、胃の周りの毛細血管に伝わって血液の温度を下げてしまいます。胃や血液が冷やされることで、「寒いから脂肪を貯めよう」と脳が勘違い。これが習慣化すると、脂肪の蓄積だけではなく、血行不良で代謝も落ち、内臓自体の動きが悪くなることで太りやすい体になってしまいます。
日頃の暑さで、冷たい飲み物は手放せませんが、朝にホットコーヒーやスープを飲んだり、就寝前に白湯を飲んでみたり、胃を温めてあげなきゃな……とポッコリお腹をさすりながら思う今日この頃。皆様も「胃の温活」試してみてはいかがでしょうか?
看護師
新型コロナウイルス感染症が5類感染症となって日常生活を取り戻しつつあるとはいえ、日常生活のなかにも色々なストレスがあります。ストレスが溜まると、頭痛、イライラ、不眠、眩暈等様々な症状があらわれ、さらには消化器疾患、心疾患、免疫力低下による癌発生のリスク等、生命を脅かすような病気の発症にも繋がります。
大切なのは、自分だけで抱え込まないこと、自分を追い込まないこと。例えば、仕事で大役を任された時、「よし!頑張ろう」と前向きに取り組むことができれば、それは適度な良いストレスといえます。しかし、個人の能力だけでなく、環境や体調等により解決が難しい時もあります。まずは周囲に相談が大切。それから上手な気分転換、仕事帰りのジム、休日の趣味等をうまく日常生活に取り入れることです。
ストレス解消を検索すると「飲酒」が避ける事の上位にヒット。飲みすぎはNGですが、「酒は百薬の長」ともいわれ、適度なお酒は心身共にリラックスできます。アッ!そろそろ私のストレス快ショータイム。それでは今宵も笑顔でカンパーイ♪
看護師
いよいよ暑い季節が目前に迫ってきました。湿度が上がり、気圧や気温の変化が激しくなる梅雨は、内臓機能や自律神経の働きの低下、抵抗力が弱くなるなど変化が起こりやすいものです。そして、熱中症も起こしやすい時期とされています。
暑い日が続くと体が暑さに慣れて暑さに強くなります。これを暑熱順化といいます。しかし、エアコンなどで暑さにさらされることが少なくなった現在の生活環境では体が適応しにくい場合もあり、また暑さに対する体の適応は気候の変化よりも遅れて起こるため、夏本番を迎える前の今の時期から準備をしておくことが重要です。
まず運動やウォーキング等で汗をかく習慣を身につけておきましよう。夏の暑さに対抗しやすくなり効果的です。また、普段から日陰を選んで歩く、日傘をさす、帽子をかぶるなどして暑さを避けること、こまめに水分補給をおこなうことも熱中症予防には効果的。日焼け対策も大事ですが熱や汗がこもりやすいため、風通しの良い涼しい服装を選びましょう。
熱中症対策を日常生活に十分に取り入れ、元気に夏を乗り越えましょう。
看護師
気温が上がり、過ごしやすい季節になってきたはずなのに「なんだか身体がだるい…」と感じている方はいませんか?
それは、日中と朝夕の気温差や月平均の気温の寒暖差が大きくなり、低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わる気圧変動が大きい季節だからだと考えられます。寒暖差に対応するため自律神経の一つである交感神経優位が続くと、エネルギー消費が増え、疲れやだるさを感じやすくなるのです。
自律神経には、身体を活動的にする交感神経とリラックスさせる副交感神経があり、2つがバランスをとりながら、心臓や腸、胃、血管などの臓器の働きを司っています。この自律神経、自分の意思ではコントロールが難しく、ちょっとしたストレスでもバランスが乱れてしまいます。
予防のためには、日頃からの対策が重要です。
・冷えを感じる前に身体の冷えを予防
・自律神経を安定させるために運動習慣をつける
・自律神経を整えるタンパク質やビタミンB6等が含まれた栄養バランスの良い食事を摂る
工夫をしながら自律神経を安定させ、気持ちよく過ごしていけるようにしましょう。
作業療法士
病後に日常生活をスムーズに送るためには、リハビリが重要だということはよく知られています。一方で、リハビリを成功させるために食事がとても重要だということをご存知でしょうか。
栄養状態が悪いなかで積極的なリハビリを行うと、機能が向上するどころか、逆に体力や筋力を失い、日常生活動作の低下を招いてしまいます。このようなリハビリと栄養の関係は「リハビリテーション栄養」という概念として、その重要性が注目を浴びています。
食事から必要な栄養を摂ることは、健康な時は容易でも、病後の低栄養状態では難しい場合が多いです。さらに食事というのは、長い人生のなかで形成される個人の価値観に左右されます。1日2食で十分という方もいれば、菜食中心の考え方も。食事の価値観の違いは、特に高齢者の低栄養を招くので要注意です。
リハビリは自分自身に向き合うことであり、同様に、栄養不足を改善するために食事を意識することはとことん自分に向き合うことになります。リハビリを行う際はぜひ一度、ご自分の栄養状態についても考えてみてください。
言語聴覚士